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病院へ
- 両親は、みんなとは違う僕を、とても心配して、いろいろな病院に連れて行ってくれた。
- しかし、検査や診察をしても、僕の障害は治らなかった。
- 僕は、検査を受けるたびに、本当にダメな子供なのだと思い知らされた。
- 医師から説明を受けて落ち込んでいる両親の姿を見ては、僕なんかいなくなればいいのにと、何度思ったかしれない。
- 僕は、心の中ではいろいろなことを考えていましたが、話すことはできなかったので、自分の気持ちを人に伝えたことはなかった。
- 話そうとすると、頭の中が真っ白になってしまうから。
小学校
- 小学校は、普通クラスに在籍した。
- 僕は多動で、集団生活が全くできなかったので、授業中も母が付き添うことになった。
- なぜ、普通クラスに通いたかったのか、それは今から考えると、僕のわがままだったような気もする。
- 友だちと一緒にいなければ、僕だけみんなみたいな未来は訪れないと思い込んでいた。
- 僕は、怖かった。
- 障害を抱えているのは、話せないことだけでも十分にわかっていたから、こんな僕が普通の大人になれるはずがないことは、簡単に予想できた。
- 僕は、自分がこの先どうなるのか不安だった。
- 母は、いつも笑顔で僕の隣にいてくれた。
- 学校で毎日付き添うことが、どんなに大変だったか、その頃の僕は知らなかった。
- 僕は、みんなに言われたことを、自分のこととしてとらえられない。
そのため何をすればいいのか、どこを勉強しているのかわからなくなるの
だ。すると混乱して、席に座っているのも辛くなる。
- 僕は、とにかくみんなに追いつきたい気持ちでいっぱいだったが、それは難しいことだった。
- 僕は、みんなとは物の見方や考え方さえも異なっていた。
- どうやったら、僕らしくいきていけるのか、わからなかった。
- 神様にお願いして眠れば、次の日には普通の子になっているのではと、何度思ったかしれない。
- しかし、朝目覚めて見る景色は、いつも同じだった。相変わらず僕は、みんなより遅れていて、どうにかしなければいけない子だったのだ。
- 僕は、みんなのように話せないばかりか、普通では理解できないような行動もする。
壊れたロボット
- まるで壊れたロボットを操縦するような体。
- 言葉は理解していても、それを行動に結びつけることもできない。
何をするにも気持ちに折り合いが必要で、成功体験をイメージしないと、簡単な指示にも従えない。
- 意味のない行動を繰り返すこだわりは、僕から自由を奪ってしまう。
- 奇声や独り言も、自分が望んでやっているわけではない。
- 人を困らせてばかりいると思われているが、実は、僕自身が一番困っていることを、一体誰が想像できるのか。
- その頃の僕には、みんながまぶしすぎた。
- 逃げるようにして、みんなと別れた。
- 僕は、どうして、僕のような人間がこの世界に存在するのか、生きる意味を探すようになった。僕には、自閉症者としての自分と向き合う時間が必要だった。