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人の心
- 人の心というものは、本当に不思議。
- 僕は目の前に見えているものが大事なものかどうか、それを判断するのは、脳ではなく、心だと思っている。
- 心は水面と似ている
- 普段は、まるでガラスのように、ただ光を反射しているだけだが、小さな小石を投げたとたんに、次々に波紋が広がる。
- そして、水面全部が、美しい波のような動きを見せ、静かに元に戻る。
- 僕はずっと昔から、こんな日が来るのを夢見ていたような気がする。
- それは、自分の言葉が世界に届くということではなく、自分の選択した人生に対して、これでよかったと思えること。
- 結果として本が売れたからではない。
- 自分の存在が、誰かの人生に影響を与えられることが、わかったから。
- お金があることや、人生に成功することも、人が幸せに生きるためには、必要なこと。
- けれども、それだけが、人生の価値を決めるものではないことは、みなさんもご存じの通り。
自閉症者として生まれた僕
- 僕は、自閉症者として生まれた。
- なぜ僕が「自閉症」なのか、その疑問を今でもずっと持っている。
- 幼稚園の記憶は、大空をさ迷っている小鳥のようなイメージだった。
- 僕はいつも遠くの空を見ていた。
- なぜなら、人が住んでいる所は、あまりに狭く息苦しかったから。
- 望んでいたのは、全ての苦しみからの解放だった。だから泣き叫び、走り回り、こだわり続けたのだと思う。
- そうしなければ、僕の羽はぼろぼろになり、二度と青空を羽ばたくことなどできないと感じていた。
- 自分が人だという認識のない僕にとって、みんなと同じ行動をするのは、あまりに無意味だった。自然とたわむれている方が何倍も楽しいことだったから。
自然と一体化
- サラサラという美しい音とともに、小さな手からこぼれ落ちる砂は、繰り返し聞くおとぎ話のように僕を夢中にさせた。
- 天から降り注ぐ光は、目の前で揺らめき、粒子になって僕を誘った。自分も光になったような感覚で、ただ見とれていた。
- 風も友だちだった。ヒュンヒュン、ビュービュー風が吹くたびに、仲よく遊んだ。走っている間は、僕も風だから。手を大きく回したり、自分がぐるぐる回転したり、今に空に飛んでいきそうな勢いで一緒に走った。とにかく、自由でいたかったのだ。僕の人生の中で、一番自分らしくいられたのは、この時代だったのではないか。
発達障害母の見た自閉症東田直樹さん「22歳までを振り返って」講演その3へ続く
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